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文書作成日:2016/10/20
賃貸住宅を建築することは、相続税対策としてどのような効果がありますか。
所有不動産の中で利用していない土地があります。最近、相続税対策で賃貸住宅を建築する人が増えているようですが、どのような効果があるのでしょうか。
不動産を賃貸すると、その相続税評価額が減少するため(一部例外あり)、相続税の基礎控除額が4割減少となった平成27年1月以降、相続税対策で賃貸住宅を建築される人が増えています。ただし時間の経過とともに、相続税評価の減少額は縮小していくなどの、注意点もあります。
賃貸住宅を建築し、実際に賃貸が始まると、土地は貸家建付地、建物は貸家となり、相続税評価額は以下の算式で計算されます。
(貸家建付地)
自用地とした場合の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
※借地権割合は路線価図で確認することができます。
100Eの記載がある路線に面している土地は、1㎡あたりの単価100千円、借地権割合50%となります。
他の借地権割合:A 90%B 80%C 70%D 60%F 40%G 30%
※借家権割合は30%(一部地域では40%)
(貸家)
建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
次の前提条件で実際に賃貸住宅の相続税評価額を算出すると、下記の通りとなります。
前提条件: 未利用地 地積500㎡ 前面路線価10万円/㎡ 借地権割合50% 借家権割合30% 上記の未利用地に借入金にて1億円の賃貸住宅を建築し賃貸開始 固定資産税評価額7,000万円(建築費の70%) 賃貸割合100% |
○賃貸住宅建築前(自用地)の相続税評価額
相続税評価額:5,000万円(10万円×500㎡)
○賃貸住宅建築後の相続税評価額
相続税評価額:△850万円(4,250万円+4,900万円-1億円)
相続税評価減少額:5,850万円(土地 750万円 + 建物 5,100万円)
土 地:10万円×500㎡×(1-50%×30%×100)=4,250万円
建 物:7,000万円×(1-30%×100%)=4,900万円
借入金:△1億円
前提条件では、借入金にて賃貸住宅を建築しましたが、自己資金で建築しても同様の効果があり、相続税評価額は5,850万円減少します。ただし、相続税評価額が5,850万円減少するのは、建築(賃貸開始)直後であり、通常、固定資産税評価額より借入の方が金額減少のスピードが速いため、時間の経過とともに、相続税評価の減少額は縮小していきます。また、現状下においては、時間の経過とともに、賃料は減少し、借入金利は上昇する恐れがあります。つきましては、あまり悲観的になる必要はありませんが、慎重に賃貸住宅の建築をご検討頂きたいと考えます。
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