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文書作成日:2016/09/20
平成28年の路線価について、経済状況はどこまで反映されていますか。
先日、平成28年の「路線価」が公表されたというニュースを見ました。今年に入り、円高が進み株価も低迷し、地価も下がっているように思われますが、路線価には反映されているのでしょうか。
路線価は毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したものであるため、それ以後の経済状況は反映されていません。たとえば、マイナス金利の導入や円高の進行、株価の低迷やイギリスのEU離脱といったトピックについては、路線価に織り込まれていないことになります。
路線価は相続税や贈与税の算定の基準となるもので、3月に国土交通省が発表した地価公示と同様、毎年1月1日時点における1平方メートルあたりの土地価格を示したものです。地価公示価格に対して概ね8割の水準で評価されているといわれています。
今回の路線価の概況をみてみましょう。全国の平均変動率は0.2%のプラスとなりました。平均変動率がプラスになったのは、いわゆる「リーマン・ショック」が起こる前の2008年以来、8年ぶりとなります。前年を上回ったのは東京都、大阪府、愛知県など14都道府県であり、前年の10都府県から増加しています。都道府県庁所在地の最高路線価をみると、25都市(昨年は21都市)が上昇しました。うち札幌や神戸、広島など10市の上昇率は10%を超えています。また、上昇率のトップは大阪・御堂筋の「阪急うめだ本店」前の22.1%でした。地点別の最高路線価地は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」前が1平方メートルあたり3,200万円で、31年連続の日本一です。この価格はリーマンショック前を上回る水準でした。
ここで注意しなければならないのは、路線価は毎年1月1日時点の土地価格を示したものであるため、1月1日以降の経済情勢の変動については反映されていないということです。28年でいえば、マイナス金利の導入や円高の進行、株価の低迷やイギリスのEU離脱といったトピックについては路線価に織り込まれていないことになります。これらの影響を見極めるには、9月に発表される都道府県地価調査(7月1日時点)の結果を待つことになります。
路線価は下記の路線価図等閲覧のページで確認できます。今年分からは“ウェブアクセスビリティ向上”のため、ホームページのデザインが見直されています。
国税庁 路線価図等閲覧http://www.rosenka.nta.go.jp/
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