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文書作成日:2017/05/20
平成29年の「地価公示価格」が発表されましたが、相続税などへの影響はあるのでしょうか?
先日、平成29年の「地価公示価格」が発表されたというニュースをみました。全用途の平均で地価は2年連続上昇したとありましたが、相続税などへの影響はあるのでしょうか?
全体的な地価の動向としては、三大都市圏では地価の上昇にやや一服感がみられる一方、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では三大都市圏を上回る上昇率を記録するなど、地価上昇は地方へ波及しています。そうはいっても、今回、41.3%の上昇率を記録した大阪・道頓堀を筆頭に大阪が全用途での上昇率トップ5を占めるなど、三大都市圏のもともと地価が高い場所がさらに上昇しているという傾向もありますので、7月に発表される相続税路線価についても、今回の地価公示の影響を受け、地価が大幅に上昇している地点の付近については相続税路線価も大幅に上昇し、相続税額にも影響を与える可能性があります。
地価公示という制度は、地価公示法という法律に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しているもので、主な役割としては以下のようなものがあります。
上記にあるように、地価公示価格は相続税評価や固定資産税評価の基準になるとされています。相続税や贈与税の申告にあたっては一般的に路線価等(いわゆる相続税路線価)が用いられますが、相続税路線価は、地価公示価格の水準の80%程度で評価されており、その均衡化・適正化が図られています。なお、地価公示価格、相続税路線価ともに毎年1月1日が評価の基準日とされていますが、地価公示の発表は例年3月の中~下旬、相続税路線価の発表は例年7月初旬となっており時間差があります。
今回の地価公示の概況をみてみましょう。全国平均では、全用途平均は2年連続の上昇となりました。用途別では、住宅地は昨年の下落から横ばいに転じました。商業地は2年連続の上昇となり、上昇基調を強めています。工業地は昨年の横ばいから上昇に転じました。三大都市圏をみると、住宅地は大阪圏が昨年の上昇から横ばいとなった以外、ほぼ前年並みの小幅な上昇を示しています。商業地は名古屋圏を除き上昇基調を強めています。工業地は総じて上昇基調を継続しています。地方圏をみると、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では全ての用途で三大都市圏を上回る上昇を示しています。地方圏のその他の地域においては全ての用途で下落幅が縮小しています。
国土交通省では、住宅地・商業地の用途ごとに地価の動向と背景を下記のように分析していました。ご参考ください。
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